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クリニックの開業支援について!おさえておきたいポイントも解説!

開業支援

クリニックの開業にはさまざまなステップと多岐にわたる検討事項があり、自力で準備するには大変な時間と労力が必要となります。そのため多くの医師が開業支援を企業などに依頼しています。しかし日々忙しい勤務の傍らで時間もなく、あまり選択肢もないまま接点のある企業へ支援を依頼する方もいるでしょう。そこで今回はクリニックの開業支援を頼めるところについてご紹介しつつ、おさえておきたいポイントについて解説します。

クリニックの開業支援はどこに頼める?

今やクリニックの開業支援をワンストップで対応している企業は多くあります。しかしワンストップといっても、その企業が開業に向けたすべての行程を対応するわけではありません。基本的には得意とする専門分野は決まっており、自社の専門分野以外は連携している企業のネットワークで、対応しているにすぎません。依頼する企業によって、強みとなる分野は違います。その点を踏まえて、どこに依頼するかを決めるのがおすすめです。ここでは代表的な4つのパターンについて紹介しましょう。

医療系コンサルタント会社

病院やクリニックなどの医療施設の経営コンサルティングをしている会社なら、開業に向けた支援をトータルで行っています。とくに開業後クリニックの経営が適正に行えるよう、事業計画や経営戦略の分野に強みをもっています。また開業場所を選定する段階での、地域の想定患者数や収支見込の分析なども可能です。資金計画の支援などでもサポートしてもらえることが期待できます。

企業によっては専門の不動産会社のネットワークをもっており、物件を紹介してくれるところもあります。当然のことながら支援してもらう内容によって、かなりのコンサルティング費用が発生するでしょう。

医薬品卸会社

多くの医薬品卸会社では、医師の開業支援を行う専門の担当者がおり、開業支援をトータルでサポートしています。これらは元々、各地域での医薬品流通を担っている企業です。開業予定地域の競合となる医療機関の情報や薬局の情報に精通しており、開業地選定や物件紹介に強みをもっています。

また医療業界に幅広いネットワークをもっていますので、建築設計・施工会社や医療機器メーカー・システム会社などと連携して、サポートを行ってもらえます。基本的には本業の医薬品卸業におけるサービスの一環として支援を行っているのです。コンサルティング費用のようなものは発生しない場合が多いでしょう。

医療機器メーカー

大手の医療機器メーカーでも開業支援を行っています。開業するクリニックの診療科目やコンセプトに応じて、適切な医療機器やシステム導入の提案において強みをもっています。企業によっては医療業界の他企業と連携しているでしょう。物件紹介や建築設計・施工会社の紹介など、開業支援をトータルでサポートしている企業もあります。基本的にはこの企業で医療機器類を購入することは前提として、コンサルティング費用はかからずに支援してもらえるのです。

医療系システム会社

レセプトコンピューターや電子カルテなどのシステム会社でも、開業支援を行っています。クリニックのシステム導入やセキュリティ対策などのコンサルティング分野に強みをもっています。自院のホームページの立ち上げと予約システムの構築などでも強みを発揮するでしょう。また診療圏データ分析による、開業予定地域の患者数予測や、マーケティング分析の支援などにも期待ができます。

企業によっては本業から派生したサービスとして、看護師や受付などの人材募集や教育研修などの、コンサルティングを行っているところもあります。基本的にはこの企業のシステムを導入するのは前提として、コンサルティング費用はかからず、支援を受けられる場合が多いのです。

クリニックの開業のステップとおさえるべきポイント

ここまでご紹介してきましたように、クリニックの開業支援を行っている企業には、それぞれ強みとしている分野と専門外の分野があります。ひとつのところにワンストップで支援を頼めるのは非常に助かるでしょう。しかしご自身が開業するクリニックを成功に導くためには、すべて丸投げにはしないのがおすすめです。ご自身のこだわりや準備に割ける時間などを考慮して、うまく使い分けましょう。ここではクリニック開業に向けたステップごとに、おさえておきたいポイントについて解説します。

開業地選定

まずはどこにクリニックを開業するか検討するステップです。ご自身のゆかりのある地域や、すでに継承している土地がある場合など、選定の材料はさまざまでしょう。その地域のマーケット情報を確認することも重要です。競合となる医療機関及び薬局の情報を確認するとともに、診療圏調査のデータから来院患者数を予測します。さらには収支見込などの事業計画とあわせて、物件を選定できるようにしましょう。

資金計画

資金計画のステップでは、土地購入費・建築費・医療機器設備及び各種備品購入費・人件費などを見込みます。開業に必要となる費用と来院患者数予測をもとに収支見込を試算して、資金調達の算段をします。必要となる費用項目に漏れがないかのチェックや、想定していない費用発生の可能性などを踏まえましょう。医療業界に詳しい第三者にも相談しながら、計画を作成してみてください。

建築設計・施工

建築設計のステップでは院内設備の配置や医療スタッフの動線、患者動線などを考慮しながら検討をします。ご自身の構想を具現化していくにあたり、相談する建築設計・施工会社は非常に重要です。支援を依頼しているところに、設計・施工会社の選定を任せるのも一手です。しかしご自身にこだわりや理想が強くある場合は、信頼できる会社をご自身で探す方が、理想とされるクリニックの開業に近づけるでしょう。

設備・物品調達

院内に必要となる医療機器や各種備品の検討をするステップです。開業するクリニックの診療科目とコンセプトに合わせて決定をしていくなかで、資金計画や事業計画を踏まえて検討するようにしましょう。他に必要な機材や備品の漏れがないか、チェックリストを作成して確認をするとよいでしょう。

人材募集・採用・研修

自院に必要な医療スタッフや受付などの人材を募集し、採用と研修を行うステップです。人材募集では求人広告を掲載して、応募者を募るのが一般的です。しかし掲載する媒体の選択によっては応募数に違いが出ますので、最適な媒体を検討することも必要となります。また人材の採用には、人材派遣や人材紹介を活用する選択肢もあります。採用後の研修については、クリニックの理念やコンセプトをしっかり理解してもらうことが重要です。マニュアルなども作成しておくと、より理解が深まります。

集患プロモーション

クリニックの開業を周辺の住民へ認知してもらうステップです。自院の患者層を想定しながら、有効な広告手段を検討します。主には広告看板やホームページおよびSNSでの告知などが一般的で、費用対効果を考慮しながら最適な広告をうつことが大切です。

各種届出

クリニックを開業するのに必要な各種届出申請のステップです。保健所への診療所開設届けのほか、管轄地方厚生局へ保険医療機関指定申請の届出も必要となります。また他にも社会保険事務所や福祉事務所、労働基準監督署・税務署・地区医師会などの、管轄機関へさまざまな申請書の提出が必要となります。抜け漏れがないよう、チェックリストなどを作って確認していくとよいでしょう。

まとめ

クリニックの開業には大変な時間と労力が必要となり、開業コンサルタント会社の力を借りるのも合理的な選択肢となります。しかし依頼する企業によってそれぞれ強みとなる分野が違うものです。ひとつのところに丸投げするのではなく、うまく使い分けて活用しましょう。とくに建築設計の段階は、ご自身のクリニック開業における夢や構想を具現化するための重要なステップとなります。信頼できる設計会社を選択することが大切です。

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