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クリニック開業のためにクリアすべき法律は?消防法のポイントもご紹介!

法律

クリニックの開業をするためには、法律の壁は避けて通れません。こだわりの空間を作るためには、法令遵守も考慮しなければいけないのです。今回はまずクリアすべき4つの法律をご紹介します。またとくに配慮しなければいけない消防法について詳しく解説しているので、クリニックの開業を考えている方はぜひ参考にしてみてください。

クリアしなければいけない法律は数多い!

日本では開業届を出せばクリニックの開設が簡単にできます。しかしクリニックの建物設計には厳しい基準が設けられているため、ひとつずつクリアしていかなければいけません。クリニックの規模や地域の条例などによって異なるため、まずはかならず必要になる4つの法律をあげていきましょう。

建築基準法

建築基準法は次のように定められています。
建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。

建物の建築や利用の際に守らなければいけない最低限の法律が「建築基準法」です。クリニック開業に関しては入院設備があるかどうかが一番のポイントです。ベッドの数が20以上あれば「病院」で、それ未満であれば「診療所(クリニック)」となります。またベッドがひとつでもあれば「特殊建築物」となり、まったくなければ「一般建築物」に該当します。特殊建築物は「多くの人が利用し、災害時には大きな被害が想定される」建物です。定期的な安全性の調査や報告が必要になります。

医療法

医療法は次のように定められています。
医療を受ける者による医療に関する適切な選択を支援するために必要な事項、医療の安全を確保するために必要な事項(中略)を定めること等により、医療を受ける者の利益の保護及び良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を図り、もつて国民の健康の保持に寄与することを目的とする。

「医療法」は医療に関する基本的なルールを定めた法律ですが、クリニックの建物を建築する際にも関わってきます。建物の安全性ではなく、医療行為の内容から基準が決められていることが、建築基準法との違いです。
医療法では待合室や診察室の広さ、プライバシーを守る構造などさまざまな規定があります。医療機器の導入にも決まりがあるため、注意しなければいけません。

バリアフリー法

バリアフリー法は次のように定められています。
高齢者、障害者等の自立した日常生活及び社会生活を確保することの重要性に鑑み、公共交通機関の旅客施設及び車両等、道路、路外駐車場、公園施設並びに建築物の構造及び設備を改善するための措置(中略)を講ずることにより、高齢者、障害者等の移動上及び施設の利用上の利便性及び安全性の向上の促進を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。

正式名称は「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」といいます。段差の解消や通路に十分な幅を設けるなど、ハードとソフト両面でのバリアフリーを意識した設計が求められるのです。

消防法

消防法は次のように定められています。
火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、火災又は地震等の災害による被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行い、もつて安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資することを目的とする。

火災を予防し、命や財産を守るだけでなく、災害が発生したときに被害を最小限にできるよう、必要な消防設備などが決められています。どれだけ素晴らしい内装でも、消防法がクリアできなければ開業は認められません。消防法について次から詳しく解説しましょう。

消防法でおさえるべきポイント

消防法は守られていなければ開業ができないことはもちろん、開業後も命を守るために大切な要素です。開業までにしっかりと準備できるよう、確認しておきたい点をみていきましょう。

ベッドの数によって基準が違う

消防法では入院できるベッドの数が4つ以上あれば「有床診療所」で、4つ未満なら「無床診療所」となります。また延べ面積によっても必要な設備が異なるので注意しましょう。たとえばベッドが4つ未満の「無床診療所」の場合は、以下のような基準があります。

  • 消火器:延べ面積が150㎡以上
  • スプリンクラー:延べ面積が6,000㎡以上
  • 自動火災報知設備:延べ面積が300㎡以上

消防検査を受ける

消防用設備が正しく設置されているか確認するため、管轄の消防署員による検査があります。事前に使用開始届や設置届を提出しているので、本当に設置しているか・正しく動作するかなどが検査されるのです。

防火管理者の選任

30人以上収容できるクリニックでは、防火管理者を決めることが義務付けられています。「管理的・監督的地位」にあることを求められるため、院長が責任者になることは一般的です。防火管理講習を受ける必要があり、受講できていなければ開業できません。余裕をもったスケジュール調整もしましょう。またビルのテナントで開業する場合は、ビル全体で30人以上収容できれば防火管理者と防災管理者が必要になります。あらかじめ管轄の消防署に問い合わせておきましょう。

複数階なら必要な設備は増える

クリニックが複数階になる場合は、さらに必要な消防設備が増えます。たとえば地上3階以上の規模なら、階面積が50㎡以上で消火器具が必要です。さらに階面積が300㎡以上で自動火災報知機の設置が求められます。消防検査で指摘されないよう、きちんと確認しておきましょう。

まとめ

今回はクリニックを開業するために、クリアしなければいけない法律についてご紹介しました。スケジュール通り開業に向けて動けるよう、遵守すべきポイントは後回しにしないようにしましょう。また、消防法についての不明な点は、事前に地域の消防署に問い合わせておくことをおすすめします。

「山口修建築設計事務所」では何度も打ち合わせを重ね、理想のクリニック作りのお手伝いをいたします。開業をお考えの方は、ぜひともお気軽にご相談ください。

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