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クリニックを設計する際のポイント!基本的な流れを詳しく解説!

ポイント

クリニックを開業する際には、当然クリニックとなる建物を建築する必要があります。クリニックは特殊建築物に含まれるため、知識を事前に把握しておかなければなりません。守らなくてはいけない建築基準についても理解するべきです。そこで今回は、クリニックを設計する際のポイントや設計から施工までの基本的な流れをご紹介します。

クリニックの設計前に押さえておくべきポイント

クリニックの設計前に押さえておくべきポイントですが、主に以下の6つが挙げられます。

患者のニーズと要望を理解する

患者がクリニックに求めるものを把握することが重要です。待ち時間や待合室の広さ、プライバシー、清潔感などが重視されることが多くなります。

医療スタッフの要件を考慮する

クリニックのスタッフにとって働きやすい環境を設計することが必要です。医療スタッフの必要な設備や手洗い設備、クリーンな環境を確保するための設計要件などを検討する必要があります。

スペースの最適化

効率的な診療を提供するために、スペースの最適化が必要です。スタッフの動線、患者の流れ、待合室や診察室の配置などを検討することが必要です。

必要な設備や装備品の決定

医療設備や診察機器、診察台、消毒器具、医薬品保管庫など、クリニックに必要な設備や装備品を決定する必要があります。

建物の法的規制と規格を遵守する

建物の法的規制と規格を遵守することが必要です。法律や地方自治体の条例、建築基準法、医療法などを遵守し、建物の設計を行う必要があります。

設計費用と予算の決定

クリニックの設計に必要な費用や予算を決定することが必要です。建築家や建設会社と話し合い、設計費用を含む予算を決定することが重要です。

特殊建築物であるクリニックの建築基準

特殊建築物であるクリニックの建築基準には、具体的に以下の8つがあります。

建築物の構造

建物は、地震などの災害に対する安全性を確保するために、十分に強固な構造を持つ必要があります。

空調設備

クリニックは、医療機器や医薬品の保管に適した温度と湿度を維持するために、適切な空調設備が必要です。

照明設備

医療の現場であるため、照明は十分な明るさが必要であり、照明設備の種類や配置にも注意が必要です。

建物の面積

診察室、手術室、待合室などのスペースが必要なため、建物の面積は必要なスペースを確保できるだけの広さが必要です。

防火設備

火災などの災害に対する対応策として、適切な防火設備が必要です。

バリアフリー設備

車椅子の利用者など、身体的に不自由な人でも利用しやすいように、建物内にはバリアフリー設備が必要です。

消毒設備

医療においては、感染症の予防が重要なため、診察室や手術室などには、適切な消毒設備が必要です。

騒音対策

患者のプライバシーを守るため、また医療の現場であるため、騒音対策も重要な要素となります。なお、クリニックの建築基準は、国や地域によって異なる場合があります。そのため、詳細については、各自治体の条例や建築基準法を確認する必要があります。

クリニックの設計〜施工までの流れ

クリニックの設計〜施工までの基本的な流れは以下となります。ただし、条件などによっては流れが異なることも考えられますので、実際に流れについては事前に依頼する業者に確認しましょう。

要件定義

まずはクリニックの所有者や医師と話し、クリニックで提供される医療サービス、診療科目、受け入れる患者の数、設置する機器などの要件を明確にします。

設計コンセプトの策定

クリニックの設計コンセプトを策定します。これは、クリニックの目的やビジョン、診療内容、患者のニーズ、設計スタイルなどを考慮した設計の基本コンセプトを決定することです。

スケッチ設計

設計コンセプトに基づいて、スケッチ設計を行います。この段階では、設計スケッチを用いて、診療室や待合室の配置、患者とスタッフの移動経路、設備や家具の配置などを決定します。

詳細設計

スケッチ設計が決定したら、詳細設計を行います。この段階では、設備、照明、配線、消火設備、エアコンなど、具体的な設計仕様を策定します。

施工設計

詳細設計が終了したら、施工設計を行います。この段階では、建築家や設備エンジニアなど、建設に関する専門家が設計を確認し、実際の施工に必要な図面を作成します。

施工

施工設計が完成したら、実際の建設作業が始まります。この段階では、建築士や工事業者が指揮を執り、建設が進行します。

完成検査

建設が完了したら、検査が行われます。これにより、建物が安全で快適であることが確認され、患者やスタッフが安心して利用できるようになります。

開業

完成検査が合格したら、クリニックを開業します。これにより、患者が受診し、医師やスタッフが診療を開始できるようになります。

まとめ

クリニックは通常の建築物とは異なるため、設計の前に知っておくべき情報がいくつも存在しています。その上で設計をすることによって、建築基準に則った快適でリラックスできるクリニックを作り上げましょう。十分な設計と打ち合わせによって納得できる設計にすることが大切です。

「山口修建築設計事務所」は、病院やクリニックに特化した設計事務所です。経験豊富な設計士が、ご希望をデザインや設計にしっかりと反映させます。理想のクリニックを実現したいという方はお気軽にご相談ください。